君の世界からわたしが消えても。
けれど、最悪な事態にならなかったのは事実。
これからのことを考えれば、それはあまり良くない答えだったと今ならわかる。
きっと、ほかにも選択肢はたくさんあったはずだった。
わたしがミヅキだと嘘をつかなくてもいいような、それでいてカナを傷つけないようにする答えが、考えれば出てきたんじゃないかなと思う。
……だけど、あれがあの時のわたしにできる精一杯の答えだった。
これから先、もしもカナが徐々に記憶を取り戻し始めたら、ミヅキに成り変わっているわたしに気付いたら、本当のことを知ったら……。
それを考えると、すごく怖い。
この状況は言い換えればカナを欺いているのと同じで、ミヅキにも顔向けできないくらいの大きな罪悪感も同時にのしかかる。
それに早くも押し潰されそうになっているわたしは、これからどうなっちゃうんだろう……。