君の世界からわたしが消えても。
……わたしは、最低だ。
カナの作り上げた世界の中、いるのはたったひとり、ミヅキだけ。
カナにとっていないも同然な、ハヅキとしてのわたし。
それを知っているから、つらくて悲しい。
わたしの存在を知ってほしいって思ってる。
だけどね、わたしはなってみせるよ。
カナの記憶にある、唯一の存在のミヅキに。
……ねえ、わたしはやっぱりずるいね。
きっとミヅキも怒ってるよね。
でも、もしそうだとしても、わたしはカナの傍にいることを選ぶよ。
たくさんの選択肢があったとしても、きっとこうなる答えを選んでた。
忘れられたままでもいい。
傍にいられるなら、なんでもいいよ。
自分がボロボロになっても、わたしが選んだ答えのせいでミヅキやイチを傷つけることになっても。
一番近くで、わたしがカナを支えてあげたいと思うよ。