恋愛ミステリーツアー
仲間部長の言っている意味が判らず、私は仲間部長を見た。
「そう、その顔…
困ったような、驚いた様な…。
お前のその顔が俺は気に入ってるんだ。」
そう言うと、仲間部長は私の首にエルメスのスカーフを巻きつけ、手馴れた様にスカーフを結んだ。
私は黙ってその様子を見ていた。
事の成り行きが判らなかったからだ。
「俺が言ってる意味が判らないって顔だな 
事の詳細を千波から聞いてないなら、それで良いと思うよ。
俺の口からは言わないし…。
ただ、千波と美波は似てるよな…
間違いだったと気付いた時には
自分の性格を呪ったよ…。」
そう言うと、仲間部長の端正な顔が近付いて来た。
仲間部長の唇が触れるまで、自分が何をされたか判らなかった。
その為、さほど抵抗をせず、放心状態の私は、そのままソファに押し倒され、
一瞬パニックに陥った。
どうしてよいか判らず、悲鳴をあげれず口をパクパクしていたが、仲間部長の手が私のシャツをまくし上げた瞬間、背筋に悪寒が走った…。
その瞬間私は、仲間部長を蹴り飛ばすと言葉にならない言葉で怒鳴りつけた。
仲間部長は慌てて、 私から離れると
「これも聞いてないのか…?参ったなあ…」
と呟やくと、携帯を取り出すと電話をかけ始めた。
「千波、お前言ってなかったのかよ…
…マジかよ。
下手すると俺は犯罪者になるところじゃないかよ…」
仲間先輩は、そう言うと私に自分の携帯を投げる様に手渡した。
携帯を受け取ると千波の声が響く。
「上手くいくと思ったのよ…美波は俊輔の事好きなんだと思ったから、俊輔が動けば二人の仲は自然に深まるだろうから そしたら、自然に子供も授かるって…」千波の言葉に私は絶句した。
そして携帯に怒鳴りつけた。
「千波今なんて言った?子供がどうのこうのって 」
携帯電話から千波が 息を飲むのが分かった。
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