恋愛ミステリーツアー
幸せの裏側
千波夫婦は幸せな夫婦だ。
二人は愛し合っているし、安定した経済力。
何不自由ない夫婦生活に見えたが、ただ一つ足りない物があった。
二人には子供がいなかった…。
いつかは授かると思っていたと千波は言った…。
しかし、無邪気な隣人の勧めで病院で検査を受けた千波は愕然とした。
自分が母親になれない現実を…。
仲間先輩は、子供は無理にとは望まなかった。
望まなかったが、欲しくない訳がなく。
「だから、私と仲間先輩に子供をつくらせようと思った訳 
千波…あんた莫迦じゃない!」
千波は泣きじゃくるばかりで、答えなかった。
見かねた仲間先輩が携帯を私から奪うと、千波に何か囁くと電話を切った。
「依代まずは謝るわ…悪かった。」
仲間先輩が頭を下げる。そして顔を上げると続けて言った。
「ただ、アイツ追い詰められてて、
だから突飛な考えになったんだよ。許してやってくれないか 」
仲間先輩の言葉に私は、淡々と答えた。
「千波が、突飛な考えになったのはともかく、仲間先輩がそれに乗ったのはなぜですか 
仲間先輩は、短絡的に動く
そんな愚かな方じゃないですよね…」
仲間先輩は、
少し眉間に皺を寄せると、吐き出すように言った。
「千波を追い詰めた原因は俺にもあるから…。」
仲間部長の言葉に私は無言で頷いた。
仲間部長が帰宅して私は泣きながらシャワーを浴びた。
泣きながら、仲間部長が好きだった自分の気持ちを感じ、二人が付き合い結婚が決まった時も苦しかった自分を思い出した…。
シャワー後、ゴミ箱から私は、チラシを取り出した。
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