すき、きらい。
なんだか自分が惨めに思えてきて…
急に胸が苦しくなった。
そして我慢していた涙が、
頬を伝ってゆく。

好き…でした…
愛しき人…

そんなことを思いながら、
私は笑顔で「そっかぁ…」と呟き、
その場から逃げた。
泣いているところを
見られたくなかった。
ただ、それだけ。
一生懸命走り、
旧校舎の庭に来ていた。
さっきいた新校舎とは違い、
ここには誰も寄り付かない。

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