【完】クールな君に胸キュン中!
「うん!」
あたしは大きくうなずいて、また日誌に取りかかった。
やっぱり桐谷くんは、あたしのこの熱を簡単には冷ましてくれないようです。
むしろその優しさのせいで、好きって気持ちは大きくなるばかり。
「桐谷くん。ひとこと空欄のところに、桐谷くんが優しすぎて心臓が壊れそうですって書いてもいいですか?」
「全力でやめてほしいかな」
戸締りをしてくれた彼は、嫌そうな顔でそう言ってあたしを見てきた。
今こうやって彼の視界に映ることができるなんて、あたしはとても幸せ者だ。
「桐谷くん、よければ一緒に帰ってくれませんか?」
「半径5メートル以上離れてくれるならいいよ」
まだまだあたしの全力片想いは始まったばかり。
「了解です!半径5メートル以内には近づきません!」
だから今は、この距離で十分。