【完】クールな君に胸キュン中!
近づきたいのに
【折原 奈乃 side】
「桐谷くん、おはよう!」
「…………」
「今日のオリエンテーリング、頑張ろうね!」
「…………」
やっぱりダメか……。
桐谷くんがあたしを避けるようになって、もう1週間が経つ。
今まで、冷たくされたり無視されたりすることはあっても、なんだかんだで最後は優しかった桐谷くん。
だけどもう、あたしに笑いかけてくれることもない。
……なんでこんなことになっちゃったんだろう?
原因がわからない。
でも、桐谷くんが何もなしに無視するなんてあり得ない。きっと何か理由があるはず。
――『ねぇ……鬱陶しいからもう、俺に近づかないで』
あの日廊下で言われたあの言葉が本当の理由なら、仕方ないけれど……。