【完】クールな君に胸キュン中!
「覚悟してます。これでも、片想いした時間はだてじゃないので」
「……なるほどね。なんか、なんとなくだけど納得したよ。桐谷が君を気にいる理由」
松岡くんの伏せ目がちな目が、少し悲しげに揺れる。
「信じれる存在を見つけたけど、まだ怖いんだろうな……」
「……?」
意味深な言葉に隠されたものが、読み取れない。
中学時代、桐谷くんと時間を共有していた松岡くんだからこそ知っていることがあるんだろう。
思い出すと、そんな寂しい表情を浮かべてしまう何かが。
だけど松岡くんは、それを上手に隠すんだ。
「何か困ったことがあったらなんでも言って!俺、奈乃ちゃんの味方だから!」
この人懐っこい笑顔で。