【完】クールな君に胸キュン中!
「……っ、」
……イタタ。
頭打った、痛い……。
ていうか、桐谷くん好きな人いるの……?
だから今まで、あたしのも、みんなの告白も断ってきたの?
……嘘、ショック……。
って違う、早く起き上がらなきゃ。
教科書……舞ちゃんのが……汚れちゃう……。
「……悪いんだけど、これ3人分持ってってくれる?」
「え、あ、うん……」
どこか遠くで、ボヤボヤと誰かがやり取りしてるような声が聞こえる。
そのうち片方の足音がこっちに近づいてきた。
「しっかりして。保健室行くから」
……あぁ、桐谷くんの声だ。
「ごめん、持ち上げるよ」
宙にふわりと浮く感覚。
何がおきてるのかわからないけど、あたしはそこで、パタリと意識を手放した。