【完】クールな君に胸キュン中!
「おい、お前らやめろよ」
一部始終を見ていたのか、松岡くんが急いでそこに止めに入った。
……桐谷くん……。
ずっとうつむいたままだ。
もしかしたら、またあの悲しそうな表情をしているのかもしれない。
そう思うと、胸が苦しくなった。
「え、奈乃……?どこ行くの?」
近くにいたバレーをしている同じクラスの子があたしに声をかける。
だけどあたしはそれを無視して、男子のコートの方へ向かった。
「奈乃?」
「え、折原?」
まだ出番ではなかった舞ちゃんもイッチーも、そんなあたしの行動に驚いてる様子。
だけどそんなの気にしてられない。
……守るよ。今度はあたしが。