【完】クールな君に胸キュン中!
「……な、なんだよお前……」
あたしは桐谷くんの前で、向かいに立つ男子生徒の前に両手を広げて立ちはだかった。
「……何、してんの……?」
後ろから、驚く桐谷くんの声が聞こえる。
でも今は、目の前の人から目を逸らせない。逸らしちゃいけない。
キッとキツく男子生徒を睨みつける。
彼の後ろにいる、止めに入った松岡くんも、あたしの登場に驚いているみたいだった。
「桐谷くんを傷つけないで」
時とか場合とか、そんなことを考えて行動しなさいってよく言われるけど。
あんたの行動は、いつも突拍子で無計画で、巻き込まれるこっちの身にもなってよとか、言われたことがあるけれど。
でもね。
どんなときだって、あたしは……。
桐谷くんのことを1番に考えてるんだ。
図々しいくらいに。