【完】クールな君に胸キュン中!
すると、その言葉が届いたかのように、まぶたが震え、桐谷くんの目が見開かれた。
「……っ!!」
大きく見開かれたと同時に、勢いよく上半身を起こす。
「桐谷くん……!」
「桐谷!」
目が覚めたことに、あたしも松岡くんも安堵する。
桐谷くんは肩で呼吸をしながら、今の状況を把握するように辺りを見回した。
「ここは保健室だよ。桐谷くん、さっき体育館で倒れたの。 覚えてない?」
桐谷くんはぼんやりとした瞳であたしと松岡くんを見つめる。
まだどういった状況かわかってないのかも。
戸惑いながらも呼吸を整えている。
冷や汗が尋常じゃない。
まるで怖い夢から覚めたばかりの小さな子どもみたいだ。