【完】クールな君に胸キュン中!
だけど、手を伸ばしても押し返すように拒絶されてしまった。
「いい。いらない」
「でも、汗たくさんかいてる……」
「いいって言ってるだろ」
冷たい声。
「桐谷、そんな言い方ないだろ」
「いいの。松岡くん」
後ろで静かにずっと見守っていてくれた松岡くんが、とうとう口をはさんだけれど、あたしはすぐに制した。
今は、桐谷くんを責めてほしくない。
「……出てって」
「えっ?」
「ひとりになりたいから、出てって」
「…………」
……また、距離が遠ざかる。
あたし全然、桐谷くんと近づけてない。
桐谷くんの横顔を見つめていると、ふいに耳たぶの青い光に目がいった。
……今目の前にいる桐谷くんは、何を思ってるんだろう?
全然わからない。