【完】クールな君に胸キュン中!
「奈乃ちゃん、そいつもそう言ってるし、俺らは戻ろうぜ」
松岡くんが、あたしを催促する。
きっと、松岡くんなりの最大の配慮だろう。
確かに桐谷くんのことを考えると、今はまだ混乱してるし、疲れてるだろうからひとりにしたほうがいいのかもしれない。
だけどあたしの意思は……?
このままでいいの?
ひとりになりたいって言われて、本当にひとりにしていいの?
このままズルズルと、少しずつ距離が開くくらいなら。
もういっそのこと踏み込んで、桐谷くんに嫌われてでも、その苦しみから解放させてあげたい。
「あたしは、桐谷くんのそばにいたい」
「……は?」
「桐谷くんをひとりにしたくない」