【完】クールな君に胸キュン中!
これがあたしの答えだ。
あたしは図々しくも、踏み込むという手段を選んだ。
それが松岡くんには伝わったのだろう。
「そっか。じゃあ俺は行くね」
おだやかな笑みを浮かべて、松岡くんは保健室を出て行った。
やがて、保健室はふたりきりの空間になる。
「……なんで出て行かないんだよ」
「……桐谷くんが好きだから」
「ウザい。いい加減にしろよ」
「ウザくても、嫌われてももうなんだっていいよ。
だけどあたしは桐谷くんをひとりにしたくない」
「…………っ」
桐谷くんは、悔しそうに下唇を噛む。
恥ずかしいのか、その頬は少し赤みがかっていた。