【完】クールな君に胸キュン中!




「あの人達が言ってた言葉の意味が知りたい。〝あのこと〟って何?
桐谷くんの過去に何があったの?」



桐谷くんの顔が歪む。



もう耐えきれないほどのところまで来ている。


あたしは桐谷くんのタブーに触れてしまったんだ。



でももう、引き返せない。あたしは行くよ。



さらけ出された青いピアスは、今まさに桐谷くんから打ち明けられる過去をものがたろうとしていた。



「桐谷くんは、どうして青いピアスをしているの?」



問いかけながら、桐谷くんの顔を覗き込む。



桐谷くんはあたしを見て笑みを浮かべていた。きっと心の準備をしていたおかげだろう。


ただ、ちょっと無理して笑ってるなってことはわかったよ。



だってあたし、ずっと桐谷くんのこと見てたから。





「俺、中学のとき……」



桐谷くんが、ゆっくりとためらいがちに、口を開く。



あたしは彼の心のドアを、ガチャリと開けて踏み込んだのだ。



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