【完】クールな君に胸キュン中!
徹は、見た目とは裏腹にわりとマメなヤツだった。
たとえば学校生活で、授業の内容を板書するとき、黒板の文字だけでなく先生の言葉もメモしてたりする。
テスト勉強にはこだわりがあって、家じゃすぐに気が散るから町の図書館に行くって言い張って、俺も何度か付き合わされたことがある。
バスケに関しては、これでもかってくらい熱血だった。
ボール拭きも、ボール拾いも、マネージャーの仕事を奪うのかっつーくらいこまめにやってて。
俺はそんな徹を貶しながらも、努力家であることは密かに尊敬していたんだ。
季節が巡り、2年生になると、さらに練習は厳しくなった。けどそれ以上に楽しかった。
試合に出る数も増えて、俺は他の同級生を差し置いてレギュラーに選ばれた。
嬉しかった。
先輩達にも褒められた。今まで頑張ってきた甲斐があったなって。
選ばれなかった徹も、他の部員も自分のことのように喜んでくれた。