【完】クールな君に胸キュン中!




徹は、見た目とは裏腹にわりとマメなヤツだった。



たとえば学校生活で、授業の内容を板書するとき、黒板の文字だけでなく先生の言葉もメモしてたりする。



テスト勉強にはこだわりがあって、家じゃすぐに気が散るから町の図書館に行くって言い張って、俺も何度か付き合わされたことがある。



バスケに関しては、これでもかってくらい熱血だった。


ボール拭きも、ボール拾いも、マネージャーの仕事を奪うのかっつーくらいこまめにやってて。



俺はそんな徹を貶しながらも、努力家であることは密かに尊敬していたんだ。





季節が巡り、2年生になると、さらに練習は厳しくなった。けどそれ以上に楽しかった。


試合に出る数も増えて、俺は他の同級生を差し置いてレギュラーに選ばれた。



嬉しかった。



先輩達にも褒められた。今まで頑張ってきた甲斐があったなって。


選ばれなかった徹も、他の部員も自分のことのように喜んでくれた。



< 190 / 453 >

この作品をシェア

pagetop