【完】クールな君に胸キュン中!
だけど、それから事件が起きたのは、先輩達の引退試合を控えた1ヶ月くらい前の出来事だった。
「今回も、3年生と桐谷に試合に出てもらう!」
監督の選抜で、俺は大事な引退試合に出場決定。
その日からも練習はより一層厳しくなると、覚悟していた。
だけど違ったんだ。
練習内容が厳しくなるんじゃなかった。
引退試合に選手として選ばれなかった先輩達の、俺に対しての対応が厳しくなった。
「おい、桐谷。これ、お前が片付けてこい」
「えっ?それって、1年生がする仕事じゃ……?」
「いいから、やれよ!」
「……はい」
最初は素直に従ってた。
でも、何で俺だけ?その疑問だけは拭えないまま……とある日。
色々チームを組み変えて練習する日があった。
そのときも、俺がたった1度、ボールを外しただけなのに。
「負けたのは桐谷のせいだぞ!
ちっ、使えない。お前なんかいらねぇんだよ!」