【完】クールな君に胸キュン中!
それから俺は、すぐに部活をやめた。
バスケをする意味がなくなった。
どうせ俺がいても、部の雰囲気を悪くするだけだろう。
俺はひとつの覚悟を決めた。
もう、人に心を寄せない。
誰かを信じると、裏切られたときに辛いってことを、この部活を通して学んだ。
そして、大切な人を失ったときの悲しみは……言葉では言い表せられないくらいに、苦しい。
だからもう、何もいらない。
独りでいよう。
友達なんて……ましてや、好きな人なんて……俺には必要のないものだ。
……もう二度と、大切な人なんて作らない。
心臓に近い左側の耳に、俺は穴を開けた。
そこに青く煌めくピアスをつける。
毎日、鏡を見てこのピアスをつければ、俺は一生、徹のことを忘れない。
そして思い出すんだ。
自分がしでかした、最低なこと。
もう二度と後悔しないために決めた、覚悟を。