【完】クールな君に胸キュン中!
それで、徹への罪が償えるなら。
徹との思い出を見失わないなら。
……俺はなんだってしてやる。
孤独がさみしいなんて、思わない。
だけど突然、現れたんだ。
――『桐谷くん、好きです!』
それは、きっかけも、何もかも、本当に急だった……。
でも確かに、彼女が目の前に現れた日から、俺の世界は変わった。
――『桐谷くん、あたしと付き合ってください!』
――『桐谷くん、一緒に帰ってもいいですか!?』
突き放しても、彼女は負けじと俺の中に、土足で踏み込んで来た。
それは、色あせた景色が一気に色ずく瞬間でもあった。
いつの間にか気を許して、久々に笑っている自分がいたことに気づいた。
失いたくないって思う子が、できてしまったんだ。
それが誤算だった。