【完】クールな君に胸キュン中!



この高校で、桐谷くんを見かけたときからずっと思ってたことがある。



誰かに告白されても、冷たく突き放して。


いつもひとりで行動してる姿は、まるで一匹狼みたい。


そんな桐谷くんから、あたしは目が離せなかった。



知らなかった。君のこと。



……大切な人を作ると、失くしてしまうのが怖かったんだね……。




桐谷くんは、とても優しい人だ。


相手のことを思いやってるからこそ、心に抱える苦しみは大きくて、辛いものなんだろう。



だから自分に罪の意識をかぶせて、なにもかもを背追い込もうとしちゃうんだ。



……でもね、それは全部間違ってるよ。




「桐谷くんは、サイテーなヤツなんかじゃない」



あたしはポツリとつぶやく。



「だってあたし、桐谷くんがいてくれて、生きててくれて、すごい幸せもらってるよ。

こんなに救われてる人間が目の前にいるのに、〝俺のせいで〟なんて、自分を卑下しないで」



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