【完】クールな君に胸キュン中!




「……っ」



少しだけ、鼻をすする音が響いた。



たぶん、今、必死に泣いてる顔を隠してるんだろう。



大丈夫。あたしはなにも見てない。




「桐谷くん。あたし、強くなるから」



どうかそのまま、顔を上げずに聞いて欲しい。



「桐谷くんは優しいから、自分のせいで誰かが傷つくのが怖いんでしょ?
だったらあたしは、強くなる。

誰かに何かをされても、傷つかないくらいに強くなれば……
桐谷くんのこと、ずっと好きでいてもいいでしょう?」



「…………」



「好きです。桐谷くん」



「っ」



「あたしは絶対に、いなくらならないし、離れたりなんてしないよ。
前から言ってるけど、図々しいのだけが取り柄だから」



< 222 / 453 >

この作品をシェア

pagetop