【完】クールな君に胸キュン中!
「……っ」
少しだけ、鼻をすする音が響いた。
たぶん、今、必死に泣いてる顔を隠してるんだろう。
大丈夫。あたしはなにも見てない。
「桐谷くん。あたし、強くなるから」
どうかそのまま、顔を上げずに聞いて欲しい。
「桐谷くんは優しいから、自分のせいで誰かが傷つくのが怖いんでしょ?
だったらあたしは、強くなる。
誰かに何かをされても、傷つかないくらいに強くなれば……
桐谷くんのこと、ずっと好きでいてもいいでしょう?」
「…………」
「好きです。桐谷くん」
「っ」
「あたしは絶対に、いなくらならないし、離れたりなんてしないよ。
前から言ってるけど、図々しいのだけが取り柄だから」