【完】クールな君に胸キュン中!
小さな頃から不器用で、特に取り柄なんてなかったあたしは、周りの人にたくさん迷惑をかけて生きてきた。
そのなかで、たまに思うことがあった。
ただ他人の足手まといになって、息をしてるだけの人間なんて、生きてる価値あるのかなって。
誰かの役に立てない人間なんて、いる意味あるのかなって。
でも、そんなある日、こんなあたしにも好きな人ができた。
行くべき道を迷ってたあたしを見つけてくれた君のおかげで、あたしは誰かの為に生きたいと、そう思えるようになったんだ。
再会したときの君は、あたしのことなんて覚えてなかったけれど。
でも、それでも別にいい。
変わり果てた姿の彼は、悲しげな表情をときおり見せる。
一匹狼で、強そうなのに、儚くさみし気で。
その理由が知りたくて、あたしは君の視界に入ることを決めたの。
かつてあたしを救ってくれた彼を助ける為なら、あたしなんでもできる気がした。
たくさんの人の役にはたてないけれど、好きな人のためならあたし、できるよ桐谷くん。
大切な君を守る為ならば。