【完】クールな君に胸キュン中!
放課後になると、あたしは帰りの支度をしながらある人物を待っていた。
舞ちゃんとイッチーはさっき、実行委員に行ってくれたし……。
「ねぇ」
ドアの方を見ながらその人を待っていると、背後から声がかかる。
振り返ってみると、カバンを持った桐谷くんがいた。
「桐谷くん! どうしたの?」
「……いや、あんたこそ何してんの?実行委員は?」
「今日は用事あるから、舞ちゃんに代わってもらったんです」
「……へぇ。なんだ、じゃあ帰れないのか」
桐谷くんの独り言みたいな声が聞き取れなくて、あたしは首を傾げた。
「あんたの用って……」
桐谷くんがあたしに何かを言いかけたとき、ガラッと教室のドアが開く。