【完】クールな君に胸キュン中!
「奈乃ちゃん、迎えに来たよー!」
「あ、松岡くん」
そう。あたしは今日、松岡くんに用があって、一緒に帰ってもらう約束をしていたのだ。
「早く行こう……って、もしかして、取り込み中だった?」
松岡くんはドアのところから、あたしの後ろにいる桐谷くんを見てそう言う。
「ううん、今行く!」
「…………」
返事をしてから、あたしは松岡くんのもとへ向かおうとした。
ん?
グイッと逆方向に力が働く。
誰かがあたしの腕を掴んでいた。
誰かと行っても、あたしの後ろにいるのは桐谷くんしかいないのだけれど。
「……桐谷くん?どうしたんですか?」
「え……」
桐谷くん自身も、自分の行動に戸惑っているようだった。