【完】クールな君に胸キュン中!
過去のことを打ち明けてからも、折原奈乃の態度は変わらない。
それは俺にとって、救いだった。
でも……あからさまに、彼女と関わる時間は少なくなっている。
放課後に教室を見渡しても、彼女がいないことの方が多かった。
「奈乃、ちゃんと寝てる? クマひどいよ?」
「大丈夫大丈夫!ちょっと昨日の夜、探し物してただけだから〜」
大きなアクビをしながら、中野と話している会話を盗み聞きしたこともある。
……探し物?なんだそれ。
俺は折原奈乃のことを、何も知らない。
なのに、彼女の一挙手一投足が気になって仕方ないんだ。