【完】クールな君に胸キュン中!
「お前、結局今年もバスケでないのか?」
「そうだけど、悪い?」
「別に悪いとは言ってねーよ。ただ、弱腰の桐谷くんは逃げるんだなぁって思って」
ニヤニヤと笑って。
俺を貶して、そうやって満足感を得てるこいつが哀れに思えた。
……可哀想なやつだ。俺に嫌味を言うことでしか、満たされないなんて。
俺なんかにそんなことを言う価値すらないのに。
「あー、いやになっちゃうわ〜。相変わらず俺のクラスの桐谷くんはモテモテのご様子で。しかも今日は男子ときた!」
突然、俺たちの間に流れる雰囲気をぶち壊すようなおちゃらけた声が横から入ってきて。
なにかと思って振り向いたときにはもうすでに、そいつは俺の目の前の男の胸ぐらを掴んで眉間にシワを寄せてつぶやいていた。
「いちいち、つまんねーことで突っかかってくんじゃねぇよ」