【完】クールな君に胸キュン中!
唇が離れると、至近距離にある桐谷くんの顔がふっと微笑む。
「顔、真っ赤」
そりゃ、当然だ。
生まれて初めてのキスに、冷静でなんていられるはずがないと思う。
けどその反面、この夢のような出来事に、あたしは身を委ねてしまいそうになった。
心地よくて、力が抜けてしまいそうで……桐谷くんの服の裾をギュッと握りしめる。
すると、桐谷くんは甘く優しい声で囁いた。
「俺を好きにさせた責任、とってよね」
「……えっ?」
あたしは頬の火照りを感じながら、首を傾げた。
「こんなにも俺に踏み込んだ罰。……ずっと、俺のそばにいてよ」
耳元で囁かれた言葉に、あたしはかすかに身を震わせる。
……当然です……。
桐谷くんに再び唇を塞がれ、言葉にすることはできなかったけれど、あたしはギュッと桐谷くんの体を抱きしめ返すことによって、そう返事をした。
ふと視界に映った桐谷くんの左耳に、もう青く光るものはない。
けれどそれは、友情の証として、彼の手の中で青く輝き続けるのだろうと……
深くなる口づけの中で、そう思った。