【完】クールな君に胸キュン中!
ワケがわからないまま、イッチー達の方を振り返る。
「折原ー、桐谷をよろしくな!」
すると、さっきまで桐谷くんを捕まえてたクラスの男子が、あたしに向かってそんなことを言ってきた。
「桐谷は、折原と帰りたいみたいだから!」
イッチーはあたしにピースサインしてそう言うと、手のひらを見せて振ってきた。
「お前らもう黙って」
茶化されたのが恥ずかしかったのか、どこかムッとした様子でそう言い返す桐谷くん。
そして、これ以上は何も言われないようにと素早く教室をあとにした。
久しぶりの、桐谷くん。
大きな手のぬくもりが伝わってきて、思わず笑みがこぼれた。