【完】クールな君に胸キュン中!
今日、学んだこと。
桐谷くんは、ふたりきりになるととても甘い。
そして、あたしの心臓を破壊させようとしてきます。
なんて、要注意人物なんだろう……!!
「しばらく天然小悪魔桐谷氏に翻弄された奈乃は、ようやく落ち着きを取り戻したのだった」
「勝手に変なモノローグを割り込まないでくれる?」
「さーせん!」
読者様にもわかりやすく……と思い、つい言葉がすべっちゃったゼ☆
ほどなくして、桐谷くんはあたしの隣で寄り添いながらつぶやいた。
「テスト終わったらさ、夏休みじゃん」
「うん?」
「そのときには、今度こそあんたが行きたいところに行こ」
優しく微笑んでそう言う、桐谷くん。
当たり前のように桐谷くんの時間をあたしにくれることが、すごく嬉しかった。
「はい!」
だからあたしは、思いっきり強くうなずいた。