【完】クールな君に胸キュン中!
「っぶね……」
そんなあたしを、ナイスタイミングで受け止めてくれた桐谷くん。
「……ご、ごめんなさい……」
「別に」
そう言って、ぱっと離れてしまう。
早速、迷惑かけるとか、呆れちゃったかな?
……浴衣、失敗だったかも。
「普通の服で来れば良かったね……ホントごめん……」
ショボーンとなってまったあたしに、桐谷くんは不思議そうに首を傾げる。
「なんで?浴衣ってこういうときに着るもんでしょ?いいじゃん、似合ってて」
「……っ!」
うつむいてたあたしは、思わず顔をあげた。
桐谷くんは、優しく微笑んでくれてる。
ちっとも呆れてる風には見てとれない。
「てかごめん、気づかなくて。下駄って歩きにくいよね?」
「うーん、やっぱり履き慣れないから、ちょっと遅くなるかも」
「じゃあ……ん」