【完】クールな君に胸キュン中!
……ん?
んって……ん?
あたしは桐谷くんをガン見してしまった。
「……歩きにくいなら、服掴んでていいよって意味なんだけど……」
少し照れくさそうに、そうつぶやいた桐谷くん。
ああ!そういことか!!
あたしはお言葉に甘えて、桐谷くんの服の裾に手を伸ばす。
けど、途中で止めた。
「どうした?」
またもや、不思議そうな桐谷くん。
あたしは意を決して思ったことを口にする。
「……えと、手を繋ぐのは、ダメですか?」
遠慮気味に、ダメもとでそう聞いた。
人がいっぱいいるから、桐谷くんは周りに見られるのがイヤなのかもしれない。