【完】クールな君に胸キュン中!
シーンと静まり返った教室内に、あたしの声はよく響いた。
あれ? なぜこんな静かなの?
「折原……堂々と遅刻とはいい度胸だな……」
ギロリ、担任の先生はあたしを睨んでくる。
見た目熊みたいな先生だから、ニックネームはクマたん。
でも残念なことに、名字に熊なんてひとつもついてない。
彼は細山……つまり熊とは真逆だ。
普段はおだやかなクマたんに睨まれると、今すぐ死んだフリをしなきゃいけない気持ちになった。
怖いっ!
「その度胸を見込んで、お前を実行委員に任命してやる!」
「へ?」
睨まれてたと思ったら、クマたんは瞬時ニコリと笑みをこぼした。