【完】クールな君に胸キュン中!
「……まあ、別にいいけど」
ホッと安堵の息が漏れる。
「その代わり、あんた、学校がある日の放課後とかツラ貸しなよ。
前みたいに仲良くしようじゃない。またあんたとうちら全員で、遊んであげるから」
「…………」
弱みを握られた。
桐谷くんに言わないという約束の代わりに、あたしはまた……あの地獄なような日々に戻るのかな。
やっと……変われたと思ったのに。
根本の部分は、なにひとつ変わってなかったや。
「じゃ、また連絡するから、連絡先教えて」
そう言って、高校生になってから変わった連絡先の入っているスマホを奪われた。
ニヤリと不敵に笑う彼女に、あたしは一生逆らえる気がした。