【完】クールな君に胸キュン中!
離れる覚悟
夏休みも終わり、2学期が始まった。
あれからあたしは、変わらずに平穏な学校生活を過ごしている。
だけど、学校の時間が終わると、一瞬にして苦しい時間になるんだ。
「あ、奈乃きたー」
「今日はカラオケだからね」
「…………」
懐かしい、中学時代のメンバー。
須賀さんをはじめ、懐かしい顔ぶれが勢ぞろい。
逆らうと、何をされるかわかったものじゃないから怖いな……。
「へー。奈乃に彼氏がいるの?意外ー!」
「そうそう。こないだ連取試合で会ったけど、顔は良かったよー」
カラオケに入ってはや数時間が過ぎた頃、いきなり須賀さんが、桐谷くんのことを話題に出した。
嫌な予感しかしない。
すごく、耳を塞ぎたい気分だ。