【完】クールな君に胸キュン中!
そう言って桐谷くんは、人目もはばからずにあたしを抱きしめた。
周りにいるみんなが、ワァッと騒ぎ始める。
でも、そんなの気にならないくらいに、今のあたしは、桐谷くんの言葉が胸に響いていて……。
言葉のひとつひとつも、表情も、仕草も、すべてが愛おしすぎて……この温もりが嘘ではないということを、全身でずっと感じていたかった。
「なんだなんだー、やけに騒がしいなー」
だけどそこで、なんと担任のクマたんが教室に入ってきてしまった。
騒いでいたみんなも、抱きしめあっていた桐谷くんとあたしも……。
一瞬にして、時が止まる。
冷や汗がたらり。
……や、ヤヴァーイ。
「あとで桐谷と折原は、職員室に着なさい」
ニコリと微笑んでそう言うクマたんに、
「「……はい……」」
あたし達は、おとなしくうなずくことしかできなかった。