【完】クールな君に胸キュン中!
「謝るなよ。俺が悪いみたいじゃん……。まあ、俺が悪いんだろうけど」
「な……そんなこと……」
「あんたが悩んでいるのに、全然気づかなくて不安にさせてたから」
「ちがう……っ。桐谷くんのせいなんかじゃ……」
「違うって否定してくれるなら、嘘でも別れるなんて言わないでよ」
桐谷くんが悲しげな顔であたしに訴える。
その表情に、胸が苦しくなった。
思わず口を結んでしまう。
「いや、ごめん。怒ってるんじゃなくて。
あーもう、うまく言えないや……。
なんつーか……もし俺が何か言ったら、またあんたは勝手に変なことを思い込んで、離れてくんじゃないかとか……そんなこと考えると、怖くて……」
……桐谷くん……。
「本当に失いたくないんだ。
あんたのことに関しては、俺、だいぶ臆病になるみたい」