【完】クールな君に胸キュン中!
桐谷くんの声がこのうえなく優しくて、思わず泣きそうになった。
身震いしそうなほどに胸が苦しくて、けれども幸せな気持ちが満ち溢れていく。
「嘘でも離れよなんて言って、ごめんね……っ」
「もういいよ。戻ってきてくれたんだから」
とうとう、ポロポロと涙が溢れ出した。
やっぱり恋をして、あたしは涙もろくなったと思う。
「俺あんたの泣き顔弱いんだから。あんま泣かないで。
なに?安心したの?」
ふるふると首を振る。
「じゃ、感動したのか」
「…………」
あたしの無言を肯定ととらえたのだろう。
「こんなことで感動してくれるとか、ホントあんたって単純だよ」
桐谷くんはふっと笑い、あたしのまぶたにキスを落とした。