【完】クールな君に胸キュン中!
中学時代の折原奈乃
中学の頃、あたしは地味で根暗な人間だった。
今のあのハツラツとした性格とは真反対で、おとなしく陰でひっそりと学校生活を送ってるような人間だった。
家では母と二人暮らし。
お父さんとは、あたしがまだ幼い頃に離婚していた。
もともとあたしは双子だったらしい。
でも、もうひとりの子は生まれるときに、へその緒が首に巻きついてしまってうまく栄養がいかず、生まれる前に亡くなってしまったみたいなんだ。
お母さんは、いつもあたしではなくて、もうひとりの子のことを大切していた。
生きてるあたしなんかより、亡くなった我が子のために……。
あたしの誕生日は、その子の誕生日ということで、あたしがお祝いされることはなかった。