【完】クールな君に胸キュン中!
「奈乃、カラオケ代払っといてー」
「え、でも……」
「またいずれ返すって! ほら、早く!」
少しずつ、これは何かがちがうということに気づいてはいた。
でも、素直に従えば、一緒にいることができた。
失うことが怖くて、言うことを聞くしかできなかった。
だって、あたしの存在意義って彼女たちしかいない。
親も誰も……あたしを必要としてくれないのなら、この人達さえいてくれれば……そう思ってた。
だけどあたしって、昔から変わらずにドジだから……。
ちょっとしたことで、彼女たちを怒らせてしまうこともよくあったんだ。
「っんとに腹立つ。あんたの行動は考えなしだからこっちはいい迷惑なのよ!わかる!?」
「……ごめ……っ!」
「謝って済むと思うなよ。お前なんか、ちょっと言えば金くれるからグループに入れてやってんだからな!」