【完】クールな君に胸キュン中!
どうせ、役立たずのあたしなんだ。
だったらもう、このシャーペンもあたしには必要ないじゃないか、
それならいっそ、彼に使われた方がこのシャーペンも嬉しいだろう。
そう思い、あたしは男子も使えそうなシンプルなシャーペンを、若干その彼の手の近くに置いてみた。
そして、かも今から帰りますよって感じの雰囲気を出して、片付けを始める。
消しゴムも置いといてあげたいけれど、それだとあからさまに置いたってことがバレるから……シャーペンの上に付いてる小さな消しゴムで我慢してください。
そんなことを心の中でつぶやき、席から立ち上がった。
「あの、忘れてますよ」
「……えっ」
しかし、彼はあたしのシャーペンを持ち、私に声をかけてきた。
……ば、バレてた……!
あたしはバレてしまって恥ずかしくなって、思わず固まってしまう。
すると、いつまでも受け取らないあたしに、彼は不思議そうに首を傾げた。