【完】クールな君に胸キュン中!
番外編
嘘つきな親友
【桐谷 修也side】
ある昼下がりの休日。
俺はリビングのソファーで足を思いっきり伸ばし、片膝を立てながら、徹が残した日記を読み返していた。
窓から入ってくる風が、そっと俺の頬を撫でていく。
おだやかな風に吹かれると、どこか懐かしい感覚にとらわれた。
ページをめくる音が、静かな部屋ではやけに響き、それと共に俺の中の記憶も鮮明と化す。
――『俺がずっと、修也のそばにいてやるよ!』
中学のころの、親友のある言葉が頭の中で駆け巡る。
思わずふっと、笑みがこぼれた。
あいつ、嘘つきだな……。
マメなところがあるくせに、嘘つきだったとは……とんだ最低なヤツだ。