【完】クールな君に胸キュン中!
俺はある人物の影響で、図々しくなってしまったと思う。
言わずもがな、折原奈乃だけど。
彼女のせいで、最近思うんだ。
諦めなかったら、願いは叶うんじゃないかって。
……また、お前に会えたりしないかな……なんて、あり得ないのに、そんなことを望んでしまうんだよ。
お前がもし嘘つきなら、死んだって言うのも嘘だって言って、ふらりと俺の前にまた現れてくれたりしてくれないのかな。
……そしたら、真っ先に謝ることができるのに。
一抹の罪悪感を胸に、中学の頃の思い出を蘇らせる。
だって、本人が蘇ることはない。
いつも蘇るのは、徹とのおだやかな懐かしい思い出達ばかりだ。