【完】クールな君に胸キュン中!
『いいよ。お前が100人分も喋ればうるさそうだし。つか、なんとかするとか無理だろ?無茶苦茶な嘘を言うな』
『嘘じゃねーよ!親友の為なら、徹っちはなんだってできるんだから!』
そのふざけた言葉の中に、どれだけの徹の想いが含まれていたのかはわからない。
冗談なのか、本気なのか。
幼い俺は当然のように前者だととらえ、仕方なくその冗談に付き合ってやるかって思ったんだ。
『いいよもう。今はお前がいるし、寂しくない』
『…………』
『徹?』
無言で何かを思いつめてる様子の徹に、俺は思わず声をかける。
『……ん?あ、ああ!当たり前!
俺がずっと、修也のそばにいてやるよ!』
徹のその言葉が照れくさくて、俺は近くにあったバスケットボールを手に取り、シュートを決めてごまかした。
ボールはボードにあたり、ガンッと当たったあとにキレイにリングの中に吸い込まれる。
『……新しい仲間ができるまで、見届けてやる……』
――シュパッ。
徹がなにか、小さな声で呟いた気がした。
『え?なんか言ったか?』
『んーん、なんでも。それより、練習するか!』
無邪気な笑顔でそう言った徹の顔が、今でも鮮明に思い出せる ─────────……。