【完】クールな君に胸キュン中!
唇を離すと、奈乃は驚いた顔をしている。
「……修也くん、涙……」
だけど今度は、違う意味で目を丸くしていた。
そっと瞳の部分に触れ、こみ上げてくる俺の涙を拭き取った奈乃。
「ごめん、うれし泣き」
「……修也くんも、感動して泣いてくれるの?」
「……うん」
徹がいないこの世界で、俺はこれからも、ひとつひとつ歳を重ねて大人になっていく。
だけどお前は、空の上から笑って、俺のことを見守ってくれてるんだろう。
どんなときだって、ずっと。
あわよくば、お前の視界に映る俺の隣に、彼女の存在があり続けますように。
そっと涙を自分で拭い、目の前の愛しい存在を見つめると、彼女は満面の笑みでつぶやいた。
「誕生日おめでとう。修也くん」
番外編☆Fin.