【完】クールな君に胸キュン中!
なんてモンモンとひとりで掛け合いをしておきながら、
「ひとことねぇ……」
頭はひとこと空欄ばかりに気を取られる。
……何があるだろう?
あ、桐谷くんが今日も校舎裏で告白されてました。とか?
それいいかも。
そう思って体を起こしたとき。
――ガラッ。
突然、教室のドアが開いた。
「……なにしてんの」
……えっ、桐谷くん!?
思ってもみなかった人物にビックリした。
さっきまで窓の外で告白されてた人が、今自分のいる教室にいるんだもん。
「日直の仕事です!」
ピシッと挙手してそう伝えた。これぞ全力。
「あっそ」
だけど彼には伝わらない。
安定のポーカーフェイスを崩すことなく、桐谷くんは無言のままこちらへやって来た。