【完】クールな君に胸キュン中!
「うん!帰りました!」
堂々と、にっこり笑って頷いてみせると、彼女達の顔から表情がスッと消えた。
……ん?
なんか今、一瞬睨まれたような……。
阿部さんは笑みが浮かべつつも、冷たい視線であたしをとらえる。
「桐谷くんに近づくの、やめてくれないかな?」
「……えっ?」
「あなたの行動は見ててうっとおしいの。
桐谷くんに四六時中まとわりつくなんて目障りなのよ。だからもう、関わらないであげて」
……はい?
「むっ、無理無理無理!!無理です!」
「あ?」
左後ろの人にもギロリと睨まれる。
一瞬怯んでしまいそうになったけど、どうにか平静を保った。
「だ、だって、桐谷くんと話せないなんて、あたしの人生終わっちゃうよ!」