【完】クールな君に胸キュン中!
女子生徒達がいなくなると、思わずホッと安堵の息をつく。
って、それよりも……!!
「イッチーどうしたの!?」
あたしはすぐさまイッチーに駆け寄った。
「え?何が?」
「何が? じゃないよ!制服びしょ濡れじゃん!」
「あーね。
遅刻しそうだったから、傘さして走って学校来てたんだけど、途中からめんどくなってもういいやって閉じてきた」
イッチーはそう言って、ヘラッとした顔で笑ってる。
「えええっ!!ダメだよそんなの!風邪ひいちゃう!
早くこれ使って!」
あたしはカバンの中からタオルを取り出して、勢いよくイッチーに手渡した。
「わー、ありがと」と言ってそれを受け取ったイッチーは、今度はなぜか、心配そうにあたしを見てくる。