【完】クールな君に胸キュン中!




負けじと言い返していると、横目でシラーっとした視線を送られる。



そして半分のノートを渡された。




「報酬はないからね」




どうやら手伝わせてくれるみたいだ。




「……へへっ。桐谷くんとおはなしできるだけで十分です」



「ていうかそもそも手伝うのなんて当たり前だよね。あんたは態度で俺に示さなきゃならないんだから。

それなのに、今朝も市川と仲良く登校してきてたのはなんでだろうね。おかしいよね」



「!?」




感情も表情も無のまま、饒舌にスラスラと言葉を並べる桐谷くんに、あたしの心臓がギクッと跳ねる。



これぞぎっくり腰ならぬ、ぎっくり心臓!なんちって。






「あのですね! それには深いワケがあって……」



言いかけて、止まる。



桐谷くんのことで絡まれていたところを、イッチーに助けられた。



……なんて、言ってもいいのか?



< 72 / 453 >

この作品をシェア

pagetop