【完】クールな君に胸キュン中!
負けじと言い返していると、横目でシラーっとした視線を送られる。
そして半分のノートを渡された。
「報酬はないからね」
どうやら手伝わせてくれるみたいだ。
「……へへっ。桐谷くんとおはなしできるだけで十分です」
「ていうかそもそも手伝うのなんて当たり前だよね。あんたは態度で俺に示さなきゃならないんだから。
それなのに、今朝も市川と仲良く登校してきてたのはなんでだろうね。おかしいよね」
「!?」
感情も表情も無のまま、饒舌にスラスラと言葉を並べる桐谷くんに、あたしの心臓がギクッと跳ねる。
これぞぎっくり腰ならぬ、ぎっくり心臓!なんちって。
「あのですね! それには深いワケがあって……」
言いかけて、止まる。
桐谷くんのことで絡まれていたところを、イッチーに助けられた。
……なんて、言ってもいいのか?