【完】クールな君に胸キュン中!
と、今日の出来事を振り返ってると、あっという間に資料室についた。
……ていうか、資料室なんて鍵閉まってるんじゃないのかな?
そう疑問に思いつつドアノブに手をかけると、扉は普通に開いていた。
「失礼しまーす……」
おそるおそる、教室の中に入る。
さすが資料室。入った瞬間、古紙っぽい特有の匂いが鼻腔をくすぐった。
ただでさえ薄暗いこの教室は、今日の天気のせいで不気味なほどに暗い。
窓が小さいし、ここは建物に囲まれててなかなか日も当たらないから仕方ないよね。
「阿部さん、いますか?」
頼りない視野で、狭い教室内を見回すが人の気配は感じ取れない。
奥の方にいるかな……?